15個目の文化遺産誕生なるか

日本における世界文化遺産の15個目の登録について、長崎県の軍艦島を筆頭とした明治日本の産業革命遺産が2015年7月5日にドイツ西部の都市ボンで行われた第39回世界遺産委員会で登録が決定しました。このことは大きなニュースにもなり、話題になりました。どういった敬意で登録に至ったのでしょうか。
2008年に文化庁が北日本の縄文遺跡群や福岡県の宗像・沖ノ島と関連遺産群の追加申請を決めたことによって翌年の2009年に世界文化遺産の暫定リストに追加掲載されるようになりました。これを受けて正式登録を目指すべくして、同年の10月22日に「九州・山口の近代化産業遺産群専門家委員会提言書」が登録推進協議会の諮問機関である専門家委員会より提出されることになります。その際に資産の加除が提言し、一緒に申請するというシリアルノミネーションの形となりました。変更などもありましたが、2014年の推薦書正式版によって、8エリアの23の資産を登録することになりました。

あの日本のシンボルも文化遺産に

日本のシンボルとも言える富士山についても世界の文化遺産に登録されています。富士山における日本の信仰の対象であり芸術の源泉として、全25の構成遺産からなっているのが特徴となっています。富士山域をはじめとして、山口登山道や須走口登山道、吉田口登山道、北口本宮冨士浅間神社、山中湖、河口湖、忍野八海、人穴富士講遺跡、白糸ノ滝、三保の松原などなどになっています。
一般的に富士山は自然遺産として登録してあると混同されやすくなっています。実際は文化遺産として登録した理由としては、自然遺産として登録することでその範囲の自然に対する干渉が許されなくなります。もし自然遺産として登録したら建設はおろか木などを伐採することも許されません。また富士山では登山客などのゴミ問題や糞尿問題などがあるため、自然遺産としての登録を行わなかったという背景があります。今後もこの自然を維持していく上で文化遺産として観光客などのマナー強化も求められています。

富岡製糸工場、10年がかかりの文化遺産登録

富岡製糸工場とは群馬県富岡市に位置している日本では初めての器械製糸工場となっています。1872年、明治期に開業に日本の産業文化の近代化について大きく貢献したことからも、日本の世界文化遺産登録が進められました。この登録については2014年6月の第38回世界遺産委員会で正式登録されおよそ10年がかりの歳月を経て達成されることになります。日本の近代化遺産の中では初の世界遺産に登録となり、翌年には明治日本の産業革命遺産も登録される運びになりました。
富岡市の市長に在任していた今井清二郎が強い関心を持ち片倉工業との交渉を行い、また群馬県知事である小寺弘之が、「ユネスコ世界遺産登録するためのプロジェクト」を公表し、三者合意の元で2005年に富岡市への寄贈が行われ、国の史跡に指定され、建造物については重要文化財に登録されます。日本の世界遺産暫定リストに記載されたのは2007年であり、プロジェクト発足から正式登録されるまでに長い月日の元で達成されました。

暫定の世界文化遺産について

暫定の世界文化遺産とは、暫定リストなどと呼ばれている日本政府からの推薦待ちとなっているものの事を指しています。2015年現在、文化遺産登録に関しては9件、自然遺産については0件、拡張登録については1件となっています。
文化遺産の暫定リストは、北海道や青森県、岩手県、秋田県にある縄文遺跡群をはじめとして、新潟県の金を中心とする佐渡鉱山の遺跡群、東京都の国立西洋美術館本館、神奈川県の古都である鎌倉、滋賀県の彦根城、大阪府の百舌鳥・古市古墳群、奈良県の飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群、福岡県の宗像・沖ノ島と関連遺産群、長崎県の教会群とキリスト教関連遺産となっています。
拡張登録については、2011年6月に登録された仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群についてであり、2011年の登録時に除外されてしまった柳之御所遺跡をはじめとして、達谷窟、白鳥舘遺跡、長者ヶ原廃寺跡、骨寺村荘園遺跡と農村景観となっています。

西日本の文化遺産

“ユネスコに登録されている西日本の文化遺産は京都府の古都京都、奈良県の古都奈良と法隆寺、また和歌山県と奈良県と三重県にまたがっている熊野古道、兵庫県の姫路城、島根県の石見銀山遺跡があります。自然遺産に関しては鹿児島県の屋久島があります。また明治日本の産業革命遺産として登録されたものの中に長崎県の軍艦島、山口県の萩反射炉・恵美須ヶ鼻造船所跡・大板山たたら製鉄遺跡など、鹿児島県の旧集成館・寺山炭窯跡、佐賀県の三重津海軍所跡、長崎県の小菅修船場跡・三菱長崎造船所など、福岡県と熊本県の三池炭鉱・三池港、福岡県の官営八幡製鐵所、遠賀川水源地ポンプ室があります。
京都府の古都京都については京都市ではなく国宝建造物や名勝に指定されているものが構成遺産となっています。京都で有名な清水寺や延暦寺、教王護国寺、二条城などになっています。
奈良県の古都奈良と法隆寺について、法隆寺は日本で最初の世界遺産として登録されたことでも有名になっています。
和歌山県と奈良県と三重県にまたがっている熊野古道について、熊野三山である熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社に通じる参詣道のことであり、世界遺産において道が登録されるということは非常に珍しいものになっているのも特徴です。
兵庫県の姫路城については登録にあたって木造建築として非常に優れていることや封建制度における象徴であることなどが評価されています。
島根県の石見銀山遺跡については登録にあたっては難航しましたが、環境に配慮した補足紹介や外交活動を展開し産業遺産としても登録されアジア初となったことも話題になりました。”

東日本の文化遺産

ユネスコに登録されている東日本の文化遺産は栃木県の日光の社寺、静岡県と山梨県にまたがっている富士山、群馬県の富岡製糸場と絹産業遺産群、富山県の白川郷・五箇山の合掌造り集落となっています。自然遺産に関しては東京都の小笠原諸島があります。また明治日本の産業革命遺産として登録されたものの中に静岡県の韮山反射炉があります。
栃木県の日光の社寺について登録されている資産は、ニ荒山神社、東照宮、輪王寺、遺跡と文化的景観となっています。1999年に登録を受けてから日本の中でも観光地として高い人気があります。
日本のシンボルとも言える富士山に関しては自然遺産ではなく文化遺産で登録されています。これについては自然遺産で登録すると今後の入山や建築に対しての制限ができることから文化遺産で登録されています。
群馬県の富岡製糸場については約10年の時間を費やし2014年に正式に登録されることになり、大きなニュースにもなりました。これに連なり明治日本の産業革命遺産も翌年に登録され、静岡県の韮山反射炉もその中に含まれています。
富山県の白川郷・五箇山の合掌造り集落については、飛越地方の白川郷と五箇山にある合掌造りの集落群のことであり、日本における木造建築群の中でも、木を重んじた極めて特異な存在であることや、豪雪地帯だからこその急勾配の屋根などが産業的活用などを備えていることなどが保存の必要性につながったとされています。

北日本の文化遺産

ユネスコに登録されている北日本の文化遺産は岩手県に集約していることが特徴になっています。自然遺産については、北日本では青森県から秋田県にまたがっている白神山地があります。岩手県で登録されている日本文化遺産は、平泉と橋野鉄鉱山・高炉跡になっています。
平泉については、仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群として2011年6月に登録されました。当時は東日本大震災から3ヶ月に登録の運びとなり、大きなニュースとなりまた岩手県知事より感謝が表明されました。中尊寺、金色堂、覆堂、経蔵、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の8つの寺院が登録されています。これらの寺院は浄土思想にまつわる建物として登録となりましたが、日本政府が推薦して文化遺産に登録されなかったことに関しては平泉が初となっているのも特徴となっています。2006年の推薦をスタートに実に7年近くの期間を経て達成することとなりました。
橋野鉄鉱山(橋野高炉跡及び関連遺跡)については岩手県釜石市に位置している構成遺産として2015年7月にユネスコ世界文化遺産に登録されました。釜石市の北西部に立地しており、幕末期から明治期にかけて日本の産業化の先駆けとなった重工業分野の産業遺産となっています。釜石の地は鉄に関する分野について影響が大きく、洋式高炉を築き、鉄鉱石精練による出銑に成功したことは有名になっています。これに関する歴史館などで資料などを展示しています。

日本の文化遺産の数は

2015年現在日本世界文化遺産の登録数はいくつになっているのかということについては興味があることになるでしょう。世界に認められる我が国の遺産ですから、国民がしっかり把握してそれを守っていく土壌を作っていくことが求められています。
日本の世界遺産の登録数は2015年現在、19件となっておりその内文化遺産が15件になっています。岩手県の平泉、栃木県の日光の社寺、静岡県と山梨県にまたがっている富士山、群馬県の富岡製糸場と絹産業遺産群、富山県の白川郷・五箇山の合掌造り集落、京都府の古都京都、奈良県の古都奈良と法隆寺、また和歌山県と奈良県と三重県にまたがっている熊野古道、兵庫県の姫路城、島根県の石見銀山遺跡、広島県の原爆ドームと厳島神社、長崎県の軍艦島を筆頭とした明治日本の産業革命遺産、沖縄県の琉球王国のグスクなどの遺産など、これらが文化遺産となっています。長崎県の軍艦島を筆頭とした明治日本の産業革命遺産については、山口県の萩反射炉・恵美須ヶ鼻造船所跡・大板山たたら製鉄遺跡など、鹿児島県の旧集成館・寺山炭窯跡など、静岡県の韮山反射炉、岩手県の橋野鉄鉱山・高炉跡、佐賀県の三重津海軍所跡、長崎県の小菅修船場跡・三菱長崎造船所など、福岡県と熊本県の三池炭鉱・三池港、福岡県の官営八幡製鐵所、遠賀川水源地ポンプ室からなるいくつかの遺産を同じ文化や歴史でまとめて登録するといったシリアルノミネーションとなっています。